料金と条件を検証

アルカナエナジーの29.80円に調達調整額を足すと、2026年8月分は37.60円。従量電灯Bと12か月ぶん比べた

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アルカナエナジーの「アルカナ おうちでんき」は、基本料金が0円で、電力量料金が使用量によらず一律です。東京エリアの単価は29.80円/kWhで、これは東京電力の従量電灯Bの第1段階とまったく同じ数字です。基本料金がない分だけ安い、と読めます。

この記事は、いま東京電力の従量電灯Bを契約している人が切り替えを検討する場合を想定して比べました。

ただし請求額を決めるのは単価表だけではありません。アルカナエナジーの料金は「基本料金+電力量料金**±調達調整額**+再生可能エネルギー発電促進賦課金」で、この調達調整額を同社が毎月公表しています。従量電灯Bの燃料費調整単価も東京電力が公表しています。両方を並べて12か月ぶん計算しました。

先に結論
  • 2026年8月分の東京エリアの調達調整額は**+11.30円/kWh**。国の支援3.50円を引いた+7.80円を単価29.80円に足すと、実質37.60円/kWhになる
  • 同じ月の東京電力 従量電灯Bの燃料費調整単価は**▲10.27円/kWh**(同じ支援を含む)。どちらも電力量料金に加減算される項目だが、算定根拠(JEPXスポット価格/燃料価格)も上限の有無も違う
  • 直近12か月を40A・月300kWhで計算すると、12か月すべてでアルカナのほうが高く、合計17,586円の差
  • 東京エリアで「おうちでんき」を契約できるのは契約電流40A以上60A以下。30A以下の世帯は申し込めない
  • 1年以内に自分から解約すると22,000円(税込)。自分でWEBから申し込んだ場合はクーリング・オフの対象外
  • 数字は市場価格で動く。この記事は東京エリアの実績値で、他エリアや将来の月に当てはまるとは限らない

単価表の29.80円は、従量電灯Bの第1段階と同じ数字

まず公表されている単価です。「アルカナ おうちでんき」は全エリアで基本料金0円、電力量料金は段階制ではなく一律です。

エリア基本料金電力量料金+2026年8月分の調達調整額実質(支援を引く前)
北海道0円35.05円+4.44円39.49円
東北0円31.95円+6.22円38.17円
東京0円29.80円+11.30円41.10円
中部0円28.55円+10.07円38.62円
北陸0円26.95円+6.07円33.02円
関西0円25.45円+6.01円31.46円
中国0円28.05円+3.76円31.81円
四国0円29.65円±0.00円29.65円
九州0円29.05円+2.54円31.59円

いずれも税込・1kWhあたりです。調達調整額は国の電気・ガス料金支援を差し引く前の値で、2026年8月分は低圧で3.50円/kWhの支援があるため、実際の請求では各エリアともここから3.50円が引かれます(東京なら37.60円)。この支援は従量電灯Bにも同額で入るので、両者の差には影響しません。

調達調整額は日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場のエリアプライスの加重平均で決まります。市場価格の平均値が基準追加負担価格を上回った分が上乗せ、基準還元価格を下回った分が値引きです。東京エリアの基準は追加負担10円・還元4円。約款に上乗せ側の上限の定めは見当たりません。当月の市場価格ではなく、3か月の平均を約2か月後の1か月間に適用します。

同社が公表している2024年1月分から2026年8月分までの32か月を見ると、東京エリアの調達調整額(支援を引く前)は最小0.00円・最大11.30円でした。この32か月に還元側へ振れた月はありません。

なお単価表の数字自体も動きます。東京エリアのおうちでんきは2023年5月1日版の約款では26.10円で、2024年に2度の改定を経て29.80円になりました。同じ2024年7月31日の改定で、東京エリアの基準追加負担価格は12円から10円へ、基準還元価格は6円から4円へ下がっています。上乗せが始まる水準が下がり、還元が出る水準も下がった、ということです。

従量電灯Bと12か月並べる

東京電力は関東エリアの燃料費調整単価を過去2年分公開しています。従量電灯Bのような規制料金の燃料費調整には上限があり、平均燃料価格が129,200円(基準燃料価格86,100円の1.5倍)を超える部分は調整しない、と説明されています。

40A・月300kWhで計算した月額です。アルカナは29.80円×300kWh+調達調整額、従量電灯Bは基本料金1,247円+段階制の電力量料金+燃料費調整額。どちらも国の支援を含み、再エネ賦課金は同額なので除いています。

適用月アルカナ 調達調整額従量電灯B 燃料費調整単価アルカナ従量電灯B差
2025年9月+2.10円-9.90円9,570円8,405円+1,165円
2025年10月+3.29円-9.65円9,927円8,480円+1,447円
2025年11月+5.29円-7.65円10,527円9,080円+1,447円
2025年12月+4.91円-7.70円10,413円9,065円+1,348円
2026年1月+4.32円-7.72円10,236円9,059円+1,177円
2026年2月-0.94円-12.22円8,658円7,709円+949円
2026年3月-1.20円-12.09円8,580円7,748円+832円
2026年4月+1.68円-8.93円9,444円8,696円+748円
2026年5月+4.36円-7.37円10,248円9,164円+1,084円
2026年6月+7.08円-7.30円11,064円9,185円+1,879円
2026年7月+9.34円-7.19円11,742円9,218円+2,524円
2026年8月+7.80円-10.27円11,280円8,294円+2,986円
40A・月300kWhで12か月合計したときの差 17,586 円 アルカナのほうが高い 両社が公表する調達調整額・燃料費調整単価(2026-08-05確認)から当サイト算出。東京エリア・国の支援込み・再エネ賦課金を除く

契約電流と使用量を変えて、同じ12か月の合計を出しました。プラスはアルカナのほうが高い額です。

月100kWh月200kWh月300kWh月450kWh
40A+638円(12か月中6か月)+9,904円(全月)+17,586円(全月)+21,747円(全月)
50A-3,103円(12か月中2か月)+6,163円(全月)+13,845円(全月)+18,006円(全月)
60A-6,844円(高い月なし)+2,422円(12か月中8か月)+10,104円(全月)+14,265円(全月)

カッコ内は12か月のうちアルカナのほうが高かった月の数です。逆転するのは、契約電流が大きくて使用量が少ない場合だけでした。従量電灯Bの基本料金は60Aで1,870円50銭あり、使用量が少ないとこれが重くなるためです。使用量が世帯の平均に近づくほど差は開きます。

差が出ている場所

内訳を分けると理由がはっきりします。40A・月300kWhの場合です。

  • 基本料金と段階単価では、アルカナが月2,435円有利。基本料金1,247円がなく、120kWhを超える180kWhぶんの単価が6.60円安いため(29.80円と36.40円の差)
  • 調整額では、アルカナが月3,900円不利。この12か月の平均は調達調整額が+4.00円/kWh、燃料費調整単価が▲9.00円/kWhで、差は13.00円/kWh

差し引いて月1,465円。単価表の勝負では勝っていて、調整額で負けているという構図です。単価表だけを見比べる限り、この13円は見えません。

申し込める人が限られる

約款の別表第1表に適用範囲があります。「アルカナ おうちでんき」は誰でも契約できるプランではありません。

  • 東北・東京・中部・北陸エリア … 契約電流40アンペア以上60アンペア以下
  • 北海道・九州エリア … 契約電流30アンペア以上60アンペア以下
  • 関西・中国・四国エリア … 使用する最大容量が6kVA以下

東京エリアで30A契約の世帯は対象外です。公式サイトには「オール電化の方は対象外」とも書かれています。契約電流は原則として切り替え前の事業者の値を引き継ぐ、と約款に定められています。

やめるときの条件

契約期間は供給開始日以降1年目の日までで、申し出がなければ1年ごとに自動更新されます。約款の別表第7表です。

本約款 37(1)に基づくお客さまからの申出により、供給開始日以降 1 年目の日以内に電気需給契約を終了される場合には、次に定める解約手数料を申し受けます。(中略)解約手数料(1 契約につき) 22,000 円(消費税等相当額込)

「ご契約前の重要説明事項」にも「22,000円(税込)」と明記されています。読んでおきたい点が3つあります。

理由による例外の定めがありません。 引っ越しでも他社への乗り換えでも、お客さま側の申出による終了なら対象です。約款にも重要説明事項にも、理由で除外する記述は見当たりませんでした。なお解約手数料は1年目までの定めで、2年目以降の解約について手数料の定めはありません。

自分でWEBから申し込んだ場合、クーリング・オフは使えないのが原則です。 特定商取引法に基づく表記に「電気需給契約は、(中略)訪問販売および電話勧誘販売の場合を除き、特定商取引法に基づくクーリング・オフの対象外です」とあります。逆にいえば、訪問や電話で勧誘を受けて申し込んだ場合は対象になり得ます。勧誘を受けて契約したなら、自分の申込経路で確認してください。

支払方法によって手数料がかかります。 コンビニ払いを選ぶと請求書発行手数料246円(税込)が毎月かかり、よくある質問には「電気のご利用がない月でも」発生すると書かれています。年間で2,952円です。クレジットカードと口座振替には手数料の記載がありません。

この記事の数字が当てはまる範囲

計算はすべて東京エリアです。調達調整額はエリアごとに違い、燃料費調整単価も地域の電力会社ごとに違います。他エリアで同じ結論になるとは限りません。

調達調整額は市場価格で毎月動きます。上の表の値(国の支援込み)でも-1.20円から+9.34円まで振れました。市場価格が下がれば差は縮み、上がれば広がります。

国の電気・ガス料金支援は両社に同額で入るため、上の差額には影響しません。ただし支援には期限があります。

数値は2026年8月5日に各社の公式サイトで確認したものです。申し込む前に必ず最新の値を確認してください。

この記事で確認できていないこと

  • 東京エリア以外の損得。各地域の電力会社の燃料費調整単価を確認していないため、9エリアぶんの比較はしていません
  • 今後の調達調整額。市場価格次第で変わります。過去の実績から将来を予想することはしていません
  • 従量電灯Bに戻せるかどうか。一度切り替えたあとに同じ条件で規制料金へ戻れるかは確認できていません。1年以内は解約に22,000円かかることと合わせて確認が必要です
  • オール電化・時間帯別プランとの比較。おうちでんきはオール電化が対象外のため比較していません
  • 国の支援の終了時期。2026年9月分までは公表されていますが、その後は確認できていません

まとめ

  • 東京エリアの単価29.80円/kWhに、2026年8月分の調達調整額+11.30円が乗る(国の支援後は+7.80円)
  • 従量電灯Bの燃料費調整単価は同じ月に▲10.27円。算定根拠も上限の有無も違う項目だが、符号が逆になっている
  • 40A・月300kWhで直近12か月を計算すると、12か月すべてアルカナのほうが高く、合計17,586円
  • 基本料金0円ぶんは月2,435円の有利だが、調整額の差が平均13.00円/kWhあって打ち消している
  • 東京エリアは契約電流40A以上でないと申し込めない。1年以内の解約は22,000円(税込)

新電力を選ぶときに見るべきなのは単価表ではなく、その会社が調整額をいくら公表しているかです。アルカナエナジーは月別の調達調整額を自社サイトで公開しているので、上の表と同じ計算は誰でもやり直せます。市場価格が下がって差が縮んだかどうかは、申し込む月の値で確かめてください。

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料金単価と供給エリアは公式サイトで確認できる▼

【アルカナでんき】