料金と条件を検証

賃貸のプロパンガス代に、自分の部屋のエアコン代が乗っている。2024年7月に禁止された商慣行

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賃貸物件のプロパンガス(LPガス)料金が高いのには理由があります。資源エネルギー庁は、その原因を商慣行として名指しし、2024年7月2日に施行された省令改正で規制しました。

この記事は経済産業省と資源エネルギー庁の公開資料(2026年8月4日確認)に書かれている内容だけを整理したものです。

先に結論
  • 賃貸集合住宅では、LPガス事業者が大家に設備を**「無償貸与」**し、その費用が入居者のガス料金に上乗せされる商慣行があった
  • 一軒家では、建設時にガス管を設置した事業者が**所有権を持ったまま供給する「貸付配管」**があり、事業者の変更を難しくしていた
  • 2024年7月2日施行の省令改正で、設備貸与や紹介料などの形での過大な利益供与が禁止された
  • 同じ日から、賃貸集合住宅の入居希望者にLPガス料金等の情報を事前に提示することが求められている
  • 違反すると立入検査の対象になり、登録抹消や罰金の対象になる

なぜ賃貸のガス代が高くなるのか

資源エネルギー庁は、問題の背景にある商慣行を2つ挙げています。

①賃貸集合住宅:LPガス事業者から住宅オーナーへさまざまなモノの「無償貸与」がおこなわれ、その金額が入居者のLPガス料金に上乗せされる

②一軒家:建設時にガス管を設置したLPガス事業者が、ガス管の所有権を持ったままガスを供給する「貸付配管」がおこなわれる

「無償」なのは大家にとってだけです。事業者が大家に提供したエアコンやインターホンなどの費用は、入居者が毎月払うガス料金から回収されます。入居者はその内訳を知らされないまま払い続けることになります。

資源エネルギー庁は、これらが「LPガス料金の不透明さにつながっているほか、賃貸集合住宅の入居者や一軒家の家主、つまりLPガスの消費者がLPガス事業者を変更することを難しくする状況にもつながっています」としています。

2024年7月2日に何が変わったか

経済産業省のプレスリリースの表現です。

LPガス事業者が、不動産・建設関係者等に対し、設備貸与や紹介料などの形で、過大な利益供与を行う等の行為が禁止されます。また、賃貸集合住宅の入居希望者に対し、LPガス料金等の情報を事前に提示することが求められます。

同じ日にガイドライン(取引適正化ガイドライン)と運用・解釈通達も改正されています。

入居前に料金を聞ける

資源エネルギー庁の資料では、情報提供の方法として「入居希望者にオーナー・不動産管理会社・不動産仲介業者などを通じて、または入居希望者から要請された場合は直接提示する」と書かれています。要請すれば直接提示を求められるということです。

内見の段階で「この部屋のLPガスの基本料金と従量単価はいくらか」を聞いてください。答えられない、あるいは渋る場合、それ自体が判断材料になります。

料金の内訳を分けて示すルール

もうひとつの柱が三部料金制の徹底です。資源エネルギー庁の説明では、料金を「基本料金」「従量料金」「設備料金」の3つに分け、設備にかかる費用は外に出して表示するというものです。

制度改正案として示されていた内容は次のとおりです。

つまり、既に住んでいる部屋の契約がただちに書き換わるわけではありません。新しい契約から順に是正していく設計です。

通報の窓口がある

資源エネルギー庁のホームページには、LPガス商慣行通報フォームが2023年12月1日に開設されています。匿名での投稿もできます。改正法令の施行前に駆け込み的な営業行為が行われることを懸念する声を踏まえたものとされています。

違反の疑いがあった場合は立入検査が実施され、違反があれば登録抹消や罰金の対象になります。

一軒家の「貸付配管」は残る

賃貸と違い、一軒家の貸付配管は、配管の所有権が事業者にある状態です。切り替えようとすると配管の買い取りを求められることがあり、これが変更のハードルになります。

省令改正は過大な利益供与や条件付き契約を規制していますが、既存の配管の所有関係そのものを解消するものではありません。切り替えを検討するなら、現在の契約で配管の所有者が誰かを先に確認してください。

この記事で金額を出していない理由

LPガス料金は自由料金で、地域と契約ごとに違います。都市ガスや電気と違って、誰でも見られる公表された料金表がありません。したがってこの記事では、削減額や「いくら安くなる」といった数字を出していません。自分の請求書に書かれている基本料金と従量単価を、実際の見積もりと比べてください。

この記事で確認できていないこと

まとめ

自分の契約が今どうなっているかは、請求書の内訳と契約書を見るのが最初の一歩です。そのうえで他社の条件を知りたい場合、複数社の見積もりをまとめて取れるサービスもあります。

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